新プロジェクトX 東京スカイツリー回を視聴。

単なる巨大建築の話ではなく、「巨大プロジェクトを人がどう動かして完成させたか」という視点がかなり面白かった。
東京スカイツリー建設の背景
東京では高層マンション、いわゆる“タワマン”の開発が進み、従来の東京タワーの高さでは電波を十分にカバーしきれなくなっていた。
そこで新たな電波塔として建設されたのが東京スカイツリー。
しかし、建設地は都市部の限られた狭い敷地。
そのため、エッフェル塔や東京タワーのような広く脚を広げた構造は採用できず、日本建築の“五重塔”をヒントにした「心柱構造」が採用された。
心柱構造という発想
特に印象的だったのが、五重塔の「心柱」をベースにした耐震設計。
建物の中心に設置された巨大な柱が、地震の揺れと逆方向に動くことで、建物全体の揺れを軽減する仕組み。
現代建築に伝統建築の知恵を取り入れる発想が興味深かった。
ただ、その心柱を組み込むことで施工難易度は一気に上がる。
しかも番組では、“心柱は最後に設置された”という説明もあり、「もしその間に大地震が来たらどうするのか」と感じるほど綱渡りの工程だった。
設計責任者が阪神・淡路大震災を経験していたという背景もあり、「絶対に倒れないものを作る」という執念のようなものも伝わってきた。
実際に作るのは“現場”
スカイツリーには約37,000個もの鉄骨が使われたという。
しかし実際に作るのは、大企業の名前の裏にいる全国の下請け・孫請けの工場や職人たち。
組立工も全国から集められ、まさに日本中の技術の集合体だった。
これだけの規模になると、複数企業によるJV(共同企業体)は避けられない。
そこで重要になるのが、各社リーダーの資質。
安全を守り、品質を維持し、納期を守る。
優秀なチームほど無駄がなく、現場全体に一体感があるのが印象的だった。
リーダー次第で現場は変わる
番組を見ながら特に感じたのは、「現場の空気はリーダーで決まる」ということ。
案件に対して後ろ向きだったり、他社の成功事例を学ぼうとしなかったり、「負けたくない」だけで意固地になっているチームは、結局うまく回らない。
逆に、優秀なチームのリーダーは「いいものを作ろう」という意識が強く、命令口調ではなく、現場と一緒に進めていく空気がある。
結果として、職人たちも自然とそういうチームに集まっていく。
「なぜ最初からそうしないのか」と感じる場面もあり、建設業に限らず組織論としても考えさせられる内容だった。
そして3.11
順調に進んでいた工事だったが、そこへ東日本大震災が直撃。
建設途中でゲイン塔が不安定な状態になっていたシーンはかなり緊張感があった。
巨大建築を作るということは、自然災害との戦いでもあるのだと改めて感じた。
まとめ
東京スカイツリー建設は、単なる“高い塔を作る話”ではなく、日本の技術力・現場力・組織力を総動員した巨大プロジェクトだった。
そして何より、極限のプレッシャーがかかる中で、最後まで事故なく完成まで持っていった関係者たちの凄さが伝わってくる内容だった。

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