元をたどれば、東芝セミコンダクターからNANDフラッシュメモリー事業を買収した会社だ。
実は20年ほど前、私はSEとして四日市工場の前工程の生産管理システム構築に携わっていた。
当時は、300mmウェハを使った最先端の半導体工場。
予算もたっぷりあって、今思えば、かなり贅沢なシステムを「チャレンジ」させてもらった。
※ここでいう「チャレンジ」は、東芝経営陣が各部署に課していた、達成が非常に難しい過大な利益目標(ノルマ)のこと。2015年に発覚した不適切会計問題の背景として知られる言葉だ。
しかし、その後はサブプライムショックからリーマンショックへ。
景気はどん底。
景気に敏感な半導体業界も、すっかり落ち目になっていった。
そこへ追い打ちをかけるように、東日本大震災。
当時、ウェスチングハウス社を買収していた東芝は、震災による原発問題も重なり、もうどうにもならない状況になっていった。
当然、私たちのような請負契約の会社にも、その影響は及ぶ。
契約は打ち切り。
最先端の半導体工場で、予算をたっぷり使って「チャレンジ」させてもらった仕事も、あっけなく終わった。
「もう半導体に関わることはないだろうな」
そう思っていた。
ところが、株をやっていると、まさかの形で再び半導体と関わることになる。
少し前のこと。
日経平均が上がり続けているのに、私の持ち株であるバリュー株は下落。
逆に、日経平均が下がる日に限って、私の持ち株は上がる。
「???」
どうにも動きがおかしい。
そこで調べてみると、半導体関連株が日経平均を大きく動かしているらしい。
さらに、NTTやJRといった株から資金が抜け、半導体銘柄へ流れているとか。
なるほど。
日経平均が上がっているのに、自分の株だけ下がる理由が、なんとなく分かった。
そして今日。
またもや日経平均は大きく上昇。
なのに、私の持ち株は散々たる状況。
なんだか自分の持ち株の株価を弄ばれているような気分になってきた。
そこで、ふと思った。
「じゃあ、キオクシアも買ってみるか」
ということで、ストップ高の買い板に並んでみた。
引け成りの状況を見ると、
買いたい人、約1,300万株。
売りたい人、約100万株。
当然、全員が買えるわけではない。
抽選だ。
約13倍の競争。
日経平均株価から逆算。ざっと計算すると当たれば、100株につき30万円ほどの利益になる……はずだった。
ところが。
今日はキオクシアの第一四半期の決算発表日。
どうやら市場予想に届かなかったらしい。
証券会社内の個人取引(PTS)ではどんどん値下がりしていく。
しかし、こっちはまだ抽選中。
もし約定していたら、100株で60万円ほどの含み損。最悪120万円だ。
「いや、当選は困る……」
抽選結果を待ちながら、
「こんなに当たらないでくれ」
と思ったのは初めてだった。
そして、抽選結果が出た。
残念ながら……
当たりませんでした。
本当に、よかった。月曜日は思いっきりプラスになるんだろうが。



