ちょっと飲みすぎたなと反省しながら、朝のルーチンをこなして出発。
この日は全国的に雨模様。
降らなければいいなと思いつつ、重い足取りで仙台駅へ向かう。
二日酔いは避けられたものの、ずんだシェイクすら喉を通らない。

とりあえず折り返しの大宮まで寝ることに。
だいぶ酒も抜けてきてランドマークを確認していると、新幹線が水上に停車することに気付く。
ランドマークは水上駅。
「これは車内から余裕で取れるな」
そう思ってスマホを構えていると、延々と続くトンネル。
GPS「今日は仕事しません。」
慌てて再起動をかけ、発車直前にようやく電波を掴み、次のトンネルへ突入するギリギリでランドマーク取得。
勝った。
……と思ったら、越後湯沢でもまったく同じ展開。
こちらは再起動も間に合わず失敗。
「まあ、帰りに寄ればいいか。」
気持ちを切り替えて新潟へ向かう。
新潟駅からランドマーク最寄り駅へ乗り継ぎ、新潟市水族館 マリンピア日本海を目指す。
結構な雨だったが、ラッキーなことに水族館のかなり手前の脇道でイベント発生。

ランドマークだけ取得して即Uターン。
たいていの水族館は攻略済みなので、今回はイルカにもペンギンにも目もくれない。
新潟はまた佐渡へ渡る時に来ればいい。
そう思い、取り逃した越後湯沢へ戻る。
駅ではサッカーの号外を勢いよく渡され、その流れで「写真一枚いいですか?」と声を掛けられる。
いや、びしょ濡れで腹ペコのおっさんを撮っても絵にならない。
丁重に断り、駅弁売り場へ。
「まさか いくらなんでも寿司」
という、どうしてそんな名前にしたのか気になる駅弁に心を奪われるが、新潟コシヒカリ弁当を選択。
強引に渡された号外は、サッカーのネタバレ禁忌民がいたら凶器になりかねない。
食事中にトラブルはごめんなので、タイトルも隠して、テーブルクロスにした。



越後湯沢へ戻る頃には完全復活。
「もう一か所いけるな。」
予定になかった土合駅へ向かうことにした。
水上行きの在来線へ乗り換え数駅。

車掌さんは運転、切符確認、車内放送まで一人でこなしている。
ワンオペってレベルじゃない。
土合駅では10人ほどが下車。
私はトイレを限界まで我慢していたので、真っ先に駆け込む。
スッキリして外へ出ると……
誰もいない。
えっ。
さっきまで10人いたよね?
見渡すと、一人だけ道路を歩いている。
「ああ、渓流でも散策する観光地なんだな。」
この時の私は、まだ何も知らなかった。
時間もないので駅舎周辺を軽く散策する。
線路。
古い駅舎。
廃校になった学校のような建物。
静かすぎる。
ドラクエなら「魔物に襲われた村」である。
そのままホームの待合室で電車を待つ。
待つ。
待つ。
……誰も来ない。
「次を逃したら4時間後なんだけど、みんな随分ギリギリに来るんだな。」
そう思っていた。
発車時刻。
来ない。
5分。
10分。
さすがにおかしい。
駅へ電話すると品川駅につながった。
事情を説明すると、
「電車は定刻どおり発車しております。」
「いや、私、1時間ここにいるんですが。」
少し沈黙。
そしてオペレーターさんが恐る恐る聞いてきた。
「……ホーム、間違えていませんか?」
え?
「地下ホームからの発車ですね。」
地下?
「あっ……怖くて近寄らなかった入り口があります。」
あれだった。


私は約1時間、
誰も来ないホームで、一人だけ律儀に電車を待っていた。
地下には400段以上続く階段。
“モグラ駅”と呼ばれる全国有数の秘境駅だったらしい。
知るか。
ドラクエなら「この先へ進みますか?」と聞かれるレベルの階段である。
しかも駅員もいない。
案内放送もない。
ホームだけ見たら完全に廃駅。
初見で地下へ降りろというのは、ノーヒントで隠しダンジョンを見つけろと言われているようなものだ。
もちろん電車は行ってしまった。
次は約4時間後。
全滅である。
……と思ったその時。
救世主。
路線バス。
RPG終盤で現れる仲間くらい頼もしく見えた。
ダッシュで乗り込み、最寄り駅まで脱出成功。
運賃800円。
痛い出費だったが、
「駅にはホームが複数ある。」
という、小学生でも知っていそうな教訓を得ることができた。
あとで調べると、地下ホームはSF映画のような絶景らしい。
「見てみたい。」
そう思った。
……2〜3日後には、
「まあ、いっか。」
となっていた。
そんなこんなで心が折れ、大宮方面へ。
東京まで出て鰻重かお寿司を食べようかと思ったが、大雨。
結局、この日の締めは蒙古タンメン中本へ行くことに。
激辛スープで体を温め、4日目の冒険を終えることにした。


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