漫画喫茶なのに図書館並みの静けさで、ぐっすり熟睡。みんな子どもの頃になまはげにしつけられたのだろう。
ここのシャワーは30分330円。ルームキーをフロントに預け、シャワールームの鍵を受け取るスタイルだ。2つあるシャワールームのうち、ちょうど清掃直後の部屋に当たりピカピカ。近所のスーパー銭湯より清潔感がある気がする。

さっぱりした後は、鍵付き個室は店内ドリンク持ち込み禁止なので、オープン席で漫画を読みながらモーニングコーヒー。

「今日も絶好調!」
……と思っていたら、トイレで立ちくらみのような感覚。疲れかな?と思った次の瞬間、床がグラグラ。
揺れはすぐ収まったので、とりあえず荷物だけまとめて確認すると震度3。

「まあ大したことなかったか」
……と思ったら、昨日泊まっていた場所は震度6+。
危なっ。
もし青森でレンタカーを借りられていたら、下北半島(テトリス地帯)周って連泊し、「あまちゃん」のロケ地・久慈へ。始発で三陸鉄道に乗って、北の海女の海を眺め、ウニ丼を食べる予定だった。
危うく、旅の思い出が「震災」になるところだった。
まさに「じぇじぇじぇ」である。
そんなこんなで3日目スタート。
会計の時、店員さんが「地震、大丈夫でしたか?」と声を掛けてくれた。前日のマックの店員さんも、レンタカー屋さんも、とにかく感じがいい。秋田県民は接客スキルに補正でも掛かっている気がする。
「大丈夫でした。震災の時は、この辺も大変だったんですか?」
と聞くと、秋田はそこまで大きな被害ではなかったそうだ。
「さっき消防車が走っていったので気を付けてくださいね。」
その一言を聞いてスタンド併設のレンタカー屋へ。
今日の相棒はAQUA。

車を見て「昔、ブルーバードって車あったよなぁ」と、誰にも伝わらない昭和脳を発動させながら男鹿半島へ向かう。
途中で秋田港のランドマークを回収。
しばらく走ると、巨大な風力発電の風車がずらりと並び始めた。
「ここは風が強い地域なんだな」と慎重に運転している横を、地元の車が次々と追い抜いていく。
制限速度だけ見れば一般道。流れだけ見れば高速道路。
一応ETCカードも入れておこうと信号待ちでセット。
……いや、高速道路に信号はない。
そんな一人ツッコミをしているうちに、この日のメインランドマーク「なまはげ館」に到着。
周りを見渡す。
子どもがいない。
泣き叫ぶ子どもを見て「あぁ、ちゃんと仕事してるなぁ」と思いたかったのに残念である。
朝だから空いていると思いきや、甘かった。
年配の皆さんの朝は、勇者より行動開始が早い。
次回のなまはげ体験コーナーは満員。
後ろ髪を引かれながら館内展示エリアへ。
各地のなまはげが勢ぞろいしていて、よくここまで集めたなと圧倒される。

本当はなまはげに叱られてみたかったが、勇者には先を急ぐ使命がある。
その後はひたすら南下。
「ねむの丘」でランドマークを回収。
道の駅だったので、せっかくだからイチジクソフトに挑戦。

……うん。
人生には「食べてみないと分からない」がある。
味は微妙だったが、経験値はちゃんと入った。
続いて庄内空港でもランドマークをサクッと回収。
さらに羽黒山へ。
冬はスキー場もあるらしく、雪景色ならかなり迫力がありそうだ。
ここも無事にランドマークをゲット。
映画「トランスフォーマー」並みの性能を見せてくれたAQUA。予定よりかなり早く着きそうだったので、追加でランドマーク「横手市増田まんが美術館」へ向かうことに。
道中の山道を75kmほどで流していると、後ろからデストロン軍団が襲来。
なんと反対車線にはみ出して追い越していく車が2台。
しかも、どちらも軽自動車。
「メタルスライムでも追いかけてるの?」
と、ちょっと驚きながら無事に美術館へ到着。
館内へ入ると、スタッフさんからすぐに
「ご自由にご覧ください。『味いちもんめ』特別展以外は無料です。撮影禁止エリア以外は写真も大丈夫ですよ。」
と声を掛けてもらう。
入り口を見守る姿が頼もしく、「クマ対策担当です」と言われても普通に信じてしまいそうな貫禄だった。
そして館内を見渡した瞬間、
「うおぉぉーーー!!」
『いきなり三平』


子どもの頃、何度も何度も読んで、今でも内容を覚えているくらい大好きな漫画だ。
さらに、
「あっ、江田島平八!」
「銀じゃん!ベンもいる!」
「ケンシロウもあったたたた!」
「うわっ、哭きの竜!!」
もう完全にタイムスリップ。



受付の方に話を聞くと、『釣りキチ三平』の作者がこの地域の出身で、その縁で美術館ができたとのこと。
さらに、その思いに賛同した多くの漫画家さんたちが直筆原稿や資料を寄贈してくれたそうだ。
漫画好きなら、ここはかなり刺さる。
結局、館内を2周。
メインの原稿展示エリアが撮影禁止だったのだけが残念だった。
興奮冷めやらぬまま、次のランドマーク「角館武家屋敷通り」を通り抜け、そのままレンタカーを返却。約10時間で450km走破。
ETCカード、一度も仕事をしなかったので、どうやら全部下道だったらしい。
駅弁を買い込み、再び新幹線の旅へ。

車窓を眺めながら食べようとした瞬間、
列車がいきなり後ろへ動き出す。
「えっ!?」
一瞬焦ったが、アナウンスによると大曲までは進行方向と逆向きで走るらしい。
おかげで、人生初の「後ろへ引っ張られながら駅弁を食べる」という貴重な経験をすることができた。
この日の目的地は仙台。
釣り好き店主のお店へ向かう。
仙台駅に降りると、人の多さにびっくり。

少し雨は降っていたものの、大きなアーケードがあるので歩きやすい。
街の雰囲気は、どことなく北九州に似ている。
クマが出ることを除けば。
なんだか「ただいま」と言いたくなる街だった。

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