常々、自分は頭が良く、要領も良いと思っている。
ただ、天才だと思ったことは一度もない。
そもそも、天才とは発想の次元が違うのだと思う。
天才には、明確なビジョンがある。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンで未来に行って、そこで見てきたものを持ち帰ってきたような。
「こうなる」という世界が、最初から見えている。
簡単に分けると、こんな感じだと思う。
0 → 1:天才
「そもそも、こんなものを作れるんじゃないか?」
「こんな表現ができるのでは?」
誰も思いつかないことを思いつき、
そこに新しい概念や方法を生み出す。
1 → 10:頭がいい人
すでにある「1」の価値を理解して、理屈を組み立てて発展させる。
分析、改良、応用が得意。
11 → 100:要領がいい人
ある程度形になったものを、効率よく回していく。
人、金、時間、手順を最適化して、
「どうやったら楽に、早く、大きくできるか」
を考えるのが得意。
つまり、
天才が、
「こんなの作れるぞ」
と発見する。
↓
頭のいい人が、
「なるほど、こういう仕組みか」
と理解する。
↓
要領のいい人が、
「じゃあ、これをこうやって100個作ろう」
と実用化する。
そんな分業になる。
だから、
天才=そもそもの発想や視点が普通と違う
頭がいい=理解する力や考える能力が高い
要領がいい=実行・処理する能力が高い
という感じだ。
私は、完全に「1~100」の世界の人間だと思っている。
たぶん、この世界ではかなり優秀なほうだ。
一度仕組みが見えてしまえば、どうすれば効率よく回せるかはだいたい分かる。
だから、周りを見ていて、
「なんで、これが理解できないんだ?」
と思うことも結構ある。
でも、0から1だけは違う。
天才が見ている世界は、私には見えない。
「そんな発想、どこから出てくるんだ?」
となる。
自分のことを頭がいいとは思っても、天才だと思ったことは一度もない。
たぶん天才というのは、
頭の回転が速い人ではなく、そもそも他の人とは違う景色を見ている人
なのだと思う。
しかし、一度だけ、自分を天才だと思ったことがある。
タバコを1日に4箱。
20年以上、吸っていた。
当時を知る人からは、
「あんなに吸っていたのに、どうしてやめたんですか?」
と聞かれることがある。
「体に悪いから」
みたいな受け答えをしているが、
いやー、やめたんじゃないんだよね。
4箱どころか、24時間、常に吸っていたいっていう気分だったんだよね。
喫煙場所もどんどん減っていく。
1分でも1秒でも吸えない状態は、私にとっては禁煙状態。
それが嫌でイライラする。
そこで考えた。
「じゃあ、常に吸っている状態を作ればいいんじゃないか」
まあ、それが俗にいう「禁煙状態」なんだけどね。
……分からないでしょ。
言っている意味。
でも、これが自分にとっては、ものすごく重要な発想だった。
「吸わないようにする」のではなく、
「自分の中の禁煙期間をなくし、常に吸っている状態」を作る。
そう考えた瞬間、
タバコに火をつけることはなくなった。
これだ。
天才って、こういうことなんだと思う。
