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今年のイカ釣りは悪天候による中止が半数。さらにコロナ感染で8月前半はずっと自粛生活だった。
盆を過ぎてようやく出船でき、いい群れに当たって魚用の冷凍庫も満タン。
「今年のイカ釣りはやり切った」
そんな満足感と、引きこもり生活から抜け出したい気持ちもあり、旅に出ることにした。
取り急ぎANAの「今週のトクたびマイル」を見ていたら、伊丹往復7,000マイルの格安航空券を発見。
行き先は大阪・関西万博に決定。
連日のテレビでは「赤字」「設備がずさん」などと散々報道されていたので、「人も少ないだろうし、一度見ておくか」くらいの軽い気持ちだった。
ただ、事前予約をしようとしてもパビリオンはどこも満員。
IPS細胞の心臓か、NTTのIOWNパビリオンを事前予約したかったが、「当日並べば何とかなるだろう」と楽観視していた。
ホテルまでの移動は7回乗り継ぎ、所要約5時間の遠回りルート。
普段使わない路線ばかりだったので、それだけでも新鮮で楽しい。
しかも新幹線1両程度の列車は揺れが激しく、ちょっとしたアトラクション気分だった。


前泊し、指定された入場時間に万博会場へ到着。
すると、ものすごい人だかり。
しかも入場ゲートがいくつもあり、どこへ並べばいいのか分からない。
迷った末に、リピーターらしきミャクミャクバッグを持った人の後ろについていくことにした。
人が並んでいた理由は、空港並みの手荷物検査。
荷物を一つひとつX線検査に通し、金属探知機もある本格的なものだった。
折りたたみ日傘を持ってきていて正解。
肌が弱いので日焼け止めもたっぷり塗り、ひたすら待つ。
……しかし、入場までまさかの1時間。
この時点で少し心が折れた。
「来年の夏は涼しい場所へ行こう。」
そんなことを考えながら、ようやく入場。




最初に向かったのはコンビニ。
まずは飲み物を補給しようと思ったのだが、値段を見て驚いた。
「えっ、安い?」
イベント価格ではなく、街中と同じ。
しっかり水分補給をして、店内で体を冷やし、汗が引いたところで外へ出ると、ミャクミャクがいた。
後ろ姿が意外とかわいい。


真っ先に向かったのは、お目当てだったIPS細胞のパビリオン。
途中で実物大ガンダムを発見。
持参したガンダムのフィギュアと同じポーズで写真を撮る人がいるだろうなと思っていたら、本当にいた。



そんな光景を横目にIPSパビリオンへ向かうと……
「本日の受付は終了しました」
えぇ……。
それならと急いでIOWNパビリオンへ向かう。
「本日の受付は終了しました」
終わった。
完全に計画不足だった。
仕方なく円形の会場を歩き回る。
露店で何か食べようかとも思ったが、真夏ということもあり、衛生面が少し気になって今回は見送ることにした。
朝は広々としていた会場も、3時間もすると、どこも梅田駅のような大混雑。
テレビで見ていた印象とはまるで違う。
そのまま大屋根リングを歩く。
海風が吹き抜けた瞬間は、気持ちよかった。
巨大な木造建築の迫力は圧巻で、歩いているだけでも十分楽しめる。


トイレだけは少し残念だった。
入口と出口が完全に分かれた一方通行の造りになっていて、用を済ませても元来た方向へは戻れない。
さらに、空室かどうかは押しボタンでランプを点灯させる仕組み。ロックを押し忘れる人がいると、外で待っている人は「使用中」と思い込んだまま、ずっと待ちぼうけになってしまう。
そのせいか、待ち列ではなかなか面白い光景も見られた。
用を済ませてしばらく観察していると待ちきれずにドアをノックする人、入る前に「押し忘れないようにします!」と後ろに宣言する人、仕組みが分からない海外の来場者に英語で説明している人までいる。
少し不便ではあったが、万博らしい国際色豊かな一コマでもあった。



会場を出て、最後は「阪急三番街パビリオン」へ。
体が塩分を欲しがっていたので、「TETSU」のつけ麺を食べようと思っていた。
ところが、近くのいつも行列ができている店に、珍しく待ち時間がない。
「これはチャンス」
そう思ってふらっと入ってみたところ、これが思わぬ大当たり。
衣はカリッと香ばしく、中はふわっとやわらかい。味付けもちょうどよく、歩き回って疲れた体に染み渡るおいしさだった。
……が、店内は思った以上にコンパクト。長いタイプの割り箸で食材をつかもうとすると、横の壁にコツンと当たってしまう。
その瞬間、巨大な木造建築を思い出した。
万博の展示は見逃してしまったが、「空間の使い方」という展示だけは、一日中たっぷり体験できた気がする。



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